Takarush Extreme Club
Select Mission vol.18

Mission 内容

千両の神像
 「恵比寿天」と「大黒天」は、それぞれ漁業と農業という日本を支える産業を司る神であったことから、商売繁盛のご利益をもつ七福神となった。
 江戸時代に、とある歌舞伎座がそのご利益をあずかるために二人の像を作って祀ったところ、閑古鳥が鳴いていた劇場がみるみるうちに大繁盛したそうだ。
 その劇場から人気役者になった者も多いため、役者の間では「その2つの像に照明を当てながら、心を込めて祈ると大舞台に立てるようになる」と言われていた。
 この2つの像は千両の神像と呼ばれ、たくさんの役者にご利益を与えてきた。

 それから早数百年。
 今もその千両の神像はどこかの劇場に置いてあるそうだが、その場所を示す手がかりは1枚の紙しか残されていなかった。

 その紙を持ちこみ依頼をしてきたのは、歌舞伎役者の卵だという若い男性だ。
 彼はとある歌舞伎座の団体に所属したばかりで、まだ一座の掃除しか仕事を任されていないという。
 そんな彼が倉庫の掃除をしていたとき、今回の依頼のきっかけとなった古びた紙を見つけたそうだ。
 千両の神像の実物を一目見て自分もそのご利益にあずかりたいと思っているそうだが、まだ歌舞伎役者の卵、ということもあり全国各地へ飛び回って調査をするような資金も持ち合わせていない。

 そこで代わりに我々に依頼をして捜索をしてきたようだ。

 紙に書いてある暗号を解き明かし、千両の神像がある場所を特定したら、実際に2人の像に照明を当てている写真を撮影して報告せよ。

それでは、君たちの健闘を祈る。   

さて、今回は1枚の古びた紙を手がかりに「千両の神像」を探ることになるようです。

間取り図を確認すると舞台や客席があることから、ここが劇場ではないかと推測できます。
また、その周辺に菊の絵も描かれています。

この情報を精査していきましょう。

まずは、舞台の間取り図に注目してみましょう。

舞台には、大きな丸が描かれています。
これは江戸時代に考案された、歌舞伎の舞台でよく使われていた「廻り舞台」だと推測することができます。

この廻り舞台が現存している劇場は、日本でも数が少なくなっています。

次に、菊の花に注目してみます。

廻り舞台があり、Select Missionの範囲内でかつ菊に関係する劇場がどこにあるか探してみると、群馬県のみどり市にある「ながめ余興場」が該当します。

このながめ余興場があるながめ公園では、毎年秋に関東菊花大会という菊の花を展示する催しが行われています。

ながめ余興場へ行き団扇のある場所を探すと、2体の像が飾られているのを確認できます。それに光を当てながら撮影できたらクリアとなります。

あとがき
今回の目的地に廻り舞台があるのを知って、それなら歌舞伎役者をテーマにした物語にしようと思い立ち制作をしました。
恵比寿天、大黒天の像もそのご利益を考えると、今回のストーリーにぴったりのお宝だったのではないかなと思っています。

廻り舞台といえば、ハンターさんなら愛知県の某村に行ったことのある方が多いだろうな~、間取り図を見た瞬間にバレたらどうしような~、とビクビクしながら制作していました。 実際にはどうだったのでしょうか……。

すぐに分かってしまったという方も、苦戦したという方も、今回のミッションを通して、数は少ないものの日本にはまだこうした伝統的な舞台が残されていることを知っていただけたのなら幸いです。

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