争い鎮めの宝具
先祖代々から伝わる猿の家紋。
今回の依頼者は、由緒正しき旧家の末裔なのだとか。
一族にはとあるしきたりがあるという。
「三十年に一度、先祖代々から伝わる掟参りという儀式があり、必ず行わなければなりません。今年がその三十年に一度の年であり、私の順番が来たのです。」
ある場所に突き立てられている宝具に、その地で作られる日本酒を御神酒としてかける、この行為を「掟参り」と呼んでいるらしい。
一族に伝わる言い伝えでは、掟参りを怠ると先代より守っていた土地にひどい災いが起こるとの事だ。
杭の在り処を示す手がかりは、代々伝わる古地図のみ。
そして依頼人は、場所が分からないどころか自分でその地にいくのも怖いという。
そこで我々に依頼をしてきたようだ。言い伝えの通り、宝具の場所を特定し、宝具にその土地で作られた地酒の御神酒を振りかけてほしい。
(見つけた場合は証拠として、宝具に御神酒をかけている瞬間を、ラベルが見えるように
撮影して報告せよ。
)
さて、今回は1枚の古びた紙を手がかりに「争い鎮めの宝具」を探ることになるようです。
百足と蛇が水を挟んで対峙している所の間に、弓を持った猿が矢を打っている場面が描かれています。
この情報を精査していきましょう。
まずは、蛇と百足が対峙している事に着目して調べてみましょう。
すると、「男体山と赤城山」という伝説が浮かび上がります。
この伝説は、男体山扮する蛇と赤城山扮する百足が、この二つの山の間にある中禅寺湖を自分の物にしようと争ったとされる伝説です。
この伝説を深く調べていくと、「猿麻呂」という人物が矢を放った事で百足が退き、争いが終結したという事が判明します。
「猿の家紋を持つ一族」で、「神の争いを鎮めた」という話から依頼者の一族はこの猿麻呂の末裔である事が判ります。
この伝説と関わりのある地を探していくと、赤城山の山頂にある大沼が図の形と適合している事が判り、
宝具は赤城山山頂にある事が特定できます。
赤城山山頂、宝具のある前橋市で作られたお酒を宝具にかけ、それを写真に収める事でクリアとなります。
あとがき
今回の目的地には壮大な伝説があったと聞いて、
これはテーマにするしかないと考え、制作してみました。
我々人間にとっては遥か昔の話かもしれませんが、蛇や百足の神様たちにとっては
つい最近の事で、今でも赤城山は虎視眈々と中禅寺湖を狙っているのかもしれないですね。
実際に現地に行ってロケハンを行ったのが3月中旬。
麓では雪も無くなり、陽ざしもあったかくなり始めていたので
少し薄着で向かったところ、現地に着いてみると雪が積もっておりました。
それどころか大沼は真っ白に凍って、氷の上を人が平然と歩いているではありませんか。
「わかさぎとか釣れるのかな」と考えつつ
凍えながら資料の写真を撮影したのは良き思い出です。
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